ARTISAN & CULTURE
「講 大津百町」のある旧市街には、今も職人文化が深く根付いています。その背景にあるのが、国指定無形民俗文化財の「大津祭」。毎年10月に13の曳山が市内を巡るのですが、江戸時代に作られた曳山の素晴らしさと言ったら! この曳山や祭を支えているのが大津の職人文化なのです。現役の提灯屋さんがあるのも、人々の生活が今も大津祭を中心に成り立っているからこそ、なのです。
柴山商店
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フロント棟「近江屋」のすぐ斜め向かい、旧東海道を歩くと誰もが足を止める店があります。柴山商店は享保元年創業の提灯専門店。店内には所狭しに様々な提灯がつるされています。「いまどき提灯専門店が?」と思うかもしれませんが、大津にとって提灯は欠かせない存在。国指定重要無形民俗文化財の大津祭は京都祇園祭の風情を継承した祭りで、現在13基ある曳山はいずれも江戸時代に制作されたもの。伝統文化を継承する気風がある大津では、大津祭が近づくとほとんどの家の玄関に提灯がつるされます。提灯の製造は現在行われていませんが、最後の装飾は9代目の柴山久治さんが筆をとります。「創業当時は、合羽や傘を販売するお店だったようです。不在にするときもありますが、気軽に店を覗いてください」と柴山さん。歴史のある建物は明治5年に建てられたもので、旧東海道の面影を現代に伝える貴重なお店です。
HP:なし
営業時間:9:00〜19:00
定休日:不定休
クレジットカード不可
営業時間:9:00〜19:00
定休日:不定休
クレジットカード不可
中川誠盛堂茶舗
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日本茶の発祥の地が、実は滋賀県であることをご存知ですか? 805年に天台宗の開祖である最澄が中国からお茶の種を持ち帰り、比叡山の麓にまいたのがはじまりと言われています。今でも滋賀は朝宮、土山、政所と銘茶の産地。宇治茶を支える影の産地としてもお茶好きに知られています。そんな近江茶の魅力を伝えるお店が、中川誠盛堂茶舗。東海道を往来する旅人の茶屋として、また江戸へのお土産として商売をはじめたのがお店のルーツ。安政5年(1858)創業から現在まで、高品質のお茶を販売しています。現在、店を切り盛りするのは5代目の中川武さん。「特に人気なのが、赤ちゃん番茶。厳冬期に収穫される番茶で、苦味が少なくカフェインレスのため、赤ちゃんから妊婦さんまで幅広い層に好評です」。京都の有名茶舗と比べれば外観は地味ですが、紹介したお客さんが必ず「あのお店は良かった!」と言ってくれる店。普段使いから、最高級のお茶まで多彩でこだわったお茶が揃っています。
神保真珠店
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平安時代の万葉集にも「近江の白玉」として詠まれているほど深い歴史を持つ、びわ湖真珠。そんなびわ湖真珠を販売するのが、1966年創業の神保真珠店です。「びわ湖真珠?」と思う方も多いでしょうが、その理由は海外輸出がほとんどだったから。創業者のお孫さんである杉山知子さんは言います。「長らく実店舗をもたず営業をしてきましたが、2014年、びわ湖真珠の素晴らしさを知って欲しいと地元・大津にお店を開業しました」。2017年には、リニューアルオープンし、近江茶と和菓子を楽しめるサロンスペースも併設。シンプルで可憐な真珠のアクセサリーは、県内のみならず全国からファンを集めています。ピアス、ブレスレット、ネックレスは1万円〜3万円前後。オーダーメイドやセミオーダーにも丁寧に対応してくれるので、自分に合ったアクセサリーに出会うことができます。